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「底が抜けた」兵庫県知事選・狂騒曲の顛末

自民党議員が見た令和の「ナチス」選挙

神戸市議会議員・元国会議員政策担当秘書 岡田裕二

2024年12月1日号

「おい奥谷!引きこもってないで家から出てこい!」  神戸市北区の閑静な住宅街で、「NHKから国民を守る党(N国)」の立花孝志党首が数十人の聴衆を従えて、とある一軒家に向かって大声をがなり立てる。何度もインターホンを鳴らし、挙句に「これ以上脅して、奥谷が『自死』しても困るのでこのくらいにしておく」と言い放つ始末。ほかでもない、これは11月17日に投開票を迎えた兵庫県知事選の狂乱の一幕だ。  県議会総勢86人が全会一致で失職に追い込んだ斎藤元彦前知事は、110万以上もの大量得票を得て再選。「県議会の総意」が県民・有権者から全否定される結果となった。  筆者は、元々東京で国会議員の政策秘書をしていた頃から斎藤氏とは懇意であり、自民党の神戸市議になってからも選挙区のJR垂水駅前で飲み歩いたこともある。3年前の選挙では、維新の公認... 「おい奥谷!引きこもってないで家から出てこい!」  神戸市北区の閑静な住宅街で、「NHKから国民を守る党(N国)」の立花孝志党首が数十人の聴衆を従えて、とある一軒家に向かって大声をがなり立てる。何度もインターホンを鳴らし、挙句に「これ以上脅して、奥谷が『自死』しても困るのでこのくらいにしておく」と言い放つ始末。ほかでもない、これは11月17日に投開票を迎えた兵庫県知事選の狂乱の一幕だ。  県議会総勢86人が全会一致で失職に追い込んだ斎藤元彦前知事は、110万以上もの大量得票を得て再選。「県議会の総意」が県民・有権者から全否定される結果となった。  筆者は、元々東京で国会議員の政策秘書をしていた頃から斎藤氏とは懇意であり、自民党の神戸市議になってからも選挙区のJR垂水駅前で飲み歩いたこともある。3年前の選挙では、維新の公認を

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